蟷螂

朝方、家の外に出ると、コンクリートの
壁に、蟷螂がいた。

大蟷螂。

脱皮したての様子で、羽が縮こまって
いるままだった。

じっと、頭を上にして壁に張り付く
格好で、完全に羽が伸びきるのを待っている。

大層迷惑だと思ったが、暫く様子を観察させてもらった。

羽が真っ直ぐ伸びきるまで、半時ほど経った。
それから尻を左右に振って、器用に四枚の羽を畳んでいく。

一時間して、立派な大蟷螂となった。

初めて見る生命の神秘に、とても
満足しながら、深い眠りに就いた。

自信

結局のところ、自分のことだけ
考えている人が多い。

人のこと考えて行動してよね。
そう考えている時点で、その人も
自分のことだけ考えている。

こんな自問自答は、いつまで経っても
終わることはないだろうけれど。

一体何を信じれば良いのか。

決まってる、自分のことをまず信じなきゃ。

白黒

白と黒で、正義は白、悪は黒。

そういう筈だったんだけど。

空はこんなに、潔いのに。

諦観

今まで過ごしてきた時間は戻せないし、
そこで形作られてしまったものは、
中々変えることは出来ない。

そうやって諦めるもの。
それでも諦められないもの。

それらと上手く付き合って、
生きていくことが出来ること。

それが大人になるってことなのかなぁ。

証拠

懐かしい気持ちになるのは、

この国に生まれたっていう証拠なんだろうな。

覚悟

通り過ぎるように見つめられて
一瞬の煌めきを残してゆく。

眩しい光を見た後の様に
何度か瞬きをすると消えてゆく。

それでも構わない。
そういうものでも構わない。

輝かせ続ける覚悟があれば。

忘却

やってみなきゃ、始まらない。
行ってみなきゃ、わからない。


そんなことを忘れてた。